クラスTシャツの著作権はどこまで大丈夫? パロディでもダメな場合の対処法
おそろいで作るからこそクラスを団結させ、良い思い出にもなるクラスTシャツ。そのデザインに決まりはなく、どんなものでもクラスが盛り上がればそれで良いのです。
が、デザイン作成でひとつ気になることがあるとするなら「著作権」。どこまでが良くてどこまでダメなのかがわかりずらく、不安を感じる方も多いかと思います。
そこでここでは、以下について少し掘り下げてご紹介してみようかと思います。
- 目次
- パロディは著作権侵害になるのか
- クラスTシャツに対する著作権は少し特殊
- よくある著作権侵害にあたるデザインに注意
- 著作権侵害による罰金・懲役刑
- 著作権を気にしなくても良いクラスTシャツ作成方法
- まとめ
パロディは著作権侵害になるのか
パロティとは、誰もが知っているような有名なアート作品やロゴ、キャラクター等を、その特徴を維持しながらも誇張して表現したり、模倣したり、また風刺化したりして、作り変えたものを言います。
著作権侵害においてこの『作り変えた』という部分が非常に重要になります。
一般的に、作り変えた部分が多ければ多いほど著作権侵害になりにくいのは確かです。
例えば世界的にも有名な、コカ・コーラのロゴは赤色の背景に白色のSpencerian Scriptというフォントを使用して作られていますが、これを青色の背景にしてフォントもゴシック体に変えてしまえば、おそらく著作権侵害にはあたらないでしょう。しかしここまで変えてしまうと、そもそもパロディかどうかもわからないものとなり、『パロディ作品』としては面白みに欠ける結果となります。
ただ反対に、作り変えた部分が少なければ少ないほど元作品と酷似し、著作権を侵害する結果になります。
では、どこまでなら許されるのか、という話になりますが、これは最終的には著作権者による判断に委ねられます。著作物に非常に似たパロディ作品であっても、著作物や著作権者のプラス材料となれば黙認されるケースもありますし、反対に、著作物や著作権者のイメージを悪くする使い方をすれば、訴えられる可能性も高くなります。
また一方で、著作権侵害にあたる可能性が高いデザインの場合、クラスTシャツを製作する業者が受注してくれない場合もあるため、注意が必要です。
クラスTシャツに対する著作権は少し特殊
著作権に関する我が国の法律では、販売等を行わず完全なる私的利用であれば著作物を複製しても良い、というものがあります。また、学校や教育機関での授業においても必要であれば著作物の複製は認められています。
これにより「クラスTシャツのデザインに著作物を使用しても大丈夫だ」と解釈してしまいがちな上に、著作権者側からも、学校行事内で使用するだけならと、黙認してもらえるケースもあるようです。
しかし厳密に言えば、文化祭や体育祭等において必ずしも、著作物のパロディデザインをプリントしたクラスTシャツが必要であるとは言い切れません。完全なるオリジナルデザインのTシャツでも良いわけですから。
また「私的利用であれば著作物を複製しても良い」という点ですが、この場合であってもSNS上などに公開してしまうと著作権法違反となります。そのため、文化祭や体育祭の様子を思い出としてTwitterやInstagramなどにアップしたいのであれば、著作物のパロディデザインは避けたほうが無難です。
よくある著作権侵害にあたるデザインに注意
ここでは、クラスTシャツ等の製作を受注する業者でもお断りされてしまう、よくある著作権侵害にあたるデザインを具体的にご紹介いたします。
漫画・アニメなどのキャラ利用
クラスTシャツのデザインに使用される著作物で昨今多いのが、漫画やアニメのキャラクターです。
その時々で流行の作品やキャラクターは必ずありますし、流行に敏感な若い世代なら尚更、クラスTシャツなどのデザインに使用したいと思う気持ちもわかります。が、インターネット上などからコピーしてそのまま無断で使用することは著作権侵害にあたります。
また上記したように、キャラクター等を使用したパロディデザインであっても、似ていれば似ているほどアウトとなる可能性は高くなります。
歌詞・小説の一節
当然、楽曲や小説にも著作権というものはあります。そのため曲のタイトルや歌詞、また小説の一節をクラスTシャツのデザインに使用するのも基本的には著作権侵害にあたります。
著作権法上の例外規定のひとつに「引用」という概念があり、その著作物を批評、研究、報道、教育などの目的であれば、歌詞や小説の一節を使用することができます。ただし引用された部分が著作物の全体に比べて過度に多い場合や、引用された部分が著作物の中心的な部分である場合は、著作権法に違反する可能性があります。
これもやはり著作権者がどう判断するかによるため、使用しないほうが無難です。
イラストやロゴ
他人が描いたイラストや企業ロゴなども、無断でそのまま使用すれば著作権侵害にあたります。さらに企業ロゴの場合、商標権侵害となるケースもあります。
この場合の商標権とは商標登録によって取得された権利であるため、まずそのロゴデザインが商標登録されていなければ侵害にはあたりませんが、よく目にすることが出来る企業ロゴのほとんどは商標登録されていると思って良いでしょう。
そのため企業ロゴをそのまま使用した場合、著作権侵害と商標権侵害の二重で訴えられてしまう可能性もあります。
芸能人など有名人の利用
漫画やアニメのキャラクター同様、芸能人など有名人の写真なども今では簡単にコピーすることが可能な上、フルカラープリントの技術の発達で、正直な話、クラスTシャツのデザインに使用することも出来てしまいます。
が、当然これも侵害行為となります。
芸能人や有名人など人物の場合、著作権ではなく肖像権と言いますが、肖像権を侵害する行為は、民事・刑事的に責任を問われることがあります。
また写真をそのまま使用せず、模写や似顔絵であってもNGとなる場合がありますので、注意が必要です。
SNSなどでDLした画像
TwitterやInstagramなどのSNS上では昨今、プロ・アマ問わず、いわゆる絵師と呼ばれるイラストレーターも数多く存在しますが、彼らが制作したイラストや画像作品も当然著作物となるため、クラスTシャツのデザインに無断で使用することは出来ません。
ただしどうしても使用したい場合、イラストや画像を制作した著作権者に連絡を取り、許可を得ると良いでしょう。そうすれば著作権侵害にはあたりません。
著作権侵害による罰金・懲役刑
著作権侵害による罰則は、権利侵害罪として10年以下の懲役と1,000万円以下の罰金のいずれか、またはその双方となります。
ただしこれは刑事責任に対する罰則であり、さらに民事責任による罰則として、著作権侵害により著作権者が損害を被った場合、その損害を賠償する責任が生じます。
損害賠償の額は、著作物の種類や利用状況、損害の程度などによって異なります。
クラスTシャツのデザインに使用しただけで懲役刑や損害賠償まではないだろうと軽く考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし昨今のSNS上ではいつどのような形で炎上するかわかりませんし、万が一にもそうなった場合、著作権者に損害を与えるケースだって考えられるのです。
著作権を気にしなくても良いクラスTシャツ作成方法
上記を読んでいただいた方の中には、著作権とか怖いよ!もうクラスTシャツのデザインなんてしたくない!と投げ出したくなる方もいらっしゃるかもしれません。そこで以下では、そんな著作権に怯えずデザイン作成をする基本的な方法をご紹介してみたいと思います。
著作権者からの許可
上のほうでも少し書きましたが、クラスTシャツのデザインにイラストや画像等といった著作物をどうしても使用したい場合、それを制作した著作権者から直接許可を得られれば使用することは可能です。
その際、どういった目的で、具体的にどのようなデザインで使用するのかを、著作権者に見せると印象も良くなる可能性があります。
また、クラスTシャツ製作をする業者に注文する際も許可が下りている旨を伝え、できれば著作権者とのメールやDMのやり取りを提示すると、やり取りもスムーズに行くためおすすめです。
著作権フリー
昨今インターネット上には、画像やイラスト、ロゴなどのフリー素材を配布しているウェブサイトも数多く存在するため、そういったものを活用するのもひとつの方法です。
フリー素材とはその名のとおり、著作権を気にすることなく、自由に使用できる素材のことです。
ただしサイトによっては、例えば商用利用がNGだったり、一部制限がかけられている場合もありますので、利用する際はまず規約をきちんと確認するようにしましょう。
オリジナルデザイン
元々あるものを使用するのではなく完全なるオリジナルデザインで作成する、というのが最もスタンダードなクラスTシャツの作り方です。
クラスでみんなでアイデアを出し合って試行錯誤しつつ作るのは、その過程も楽しめますし、きっととても素敵な思い出になります。
冒頭にも書きましたが、クラスTシャツなんて結局は、クラスが盛り上がればそれで良いのです。自由な発想で世界にひとつだけのオリジナル性あふれるクラスTシャツを作ってみましょう。
まとめ
今回はクラスTシャツにおける著作権侵害について書かせていただきましたが、いかがでしたでしょうか。
厳密に言ってしまえば、部分的に作り変えたパロディであれ、模倣している時点で著作権侵害となる可能性が発生します。そのためできれば既にあるイラストや画像、ロゴなどを使用するのは避けたほうが良いでしょう。
しかしどうしても使用したい場合、著作権者に許可を取るか、もしくは著作物や著作権者のイメージを損なわないデザインや利用方法を心掛け、SNSなどインターネット上に載せることも避けたほうが無難です。
となると結局は、完全オリジナルなクラスTシャツを作ってしまうほうが、楽しめるのではないでしょうか。
そんなクラスTシャツですが、当社キラメックではこれまでにも数多くの製作実績がございます。
単色プリントはもちろん、グラデーションや画像を使ったフルカラープリント、金や銀のメタルプリント、蛍光プリント、ラメプリント等、印刷方法も多岐にわたり、本体となるTシャツの種類やカラー、サイズもとても豊富に取り揃えておりますので、どんな製作注文でもまずはお気軽に、お問い合わせください。
思い出に残る素敵なオリジナルクラスTシャツを、精巧にお作りさせていただきます。