Tシャツのプリントのひび割れはすぐに修理できる? 原因と予防策を解説
Tシャツのプリント方法や、生地の素材を問わず、Tシャツのプリント部分の経年劣化はいつか必ず発生します。
しかし、毎日のお洗濯や収納方法次第で、プリント部分がひび割れする劣化速度は確実に抑えることができます。
このページでは「プリントのひび割れ」にスポットを当てて、ひび割れしにくいお洗濯の方法や、ひび割れしてしまった時の修理方法など、お気に入りのプリントTシャツを長く大切に着るための方法をご紹介します。
Tシャツのプリントがひび割れてしまうのはなぜ?
プリントTシャツは、使用している生地やインクの種類を問わず、温度変化や熱・乾燥によって生地やインクが微妙に伸び縮みするため、いずれ経年劣化は必ず発生します。
しかし、実際にプリントTシャツのひび割れの原因を探っていくと、経年劣化以外でひび割れを誘発する行為が多数存在することに気が付きます。
まずは、Tシャツのプリントがひび割れしてしまう原因をピックアップして、そのダメージはどのようにすれば回避することができるかといった対処方法もあわせてご紹介していきます。
原因その1:洗濯時などの摩擦
プリントTシャツのプリント部分がひび割れしてしまう主な原因は、お洗濯時や収納時に組織に生じる摩擦だと言われています。
だからといって、着用後の汚れてしまったプリントTシャツをお洗濯せずにそのまま放置しておくわけにはいかないので、お洗濯や収納をする際に有効な摩擦を防ぐための、以下の方法を取り入れることを推奨します。
ほんの些細なことでも、日々コツコツと積み重ねていくことで、着実にひび割れを防止できる方法ばかりなので、試してもらえればと思います。
■お洗濯時に生じる摩擦を軽減する方法
- 摩擦が生じやすい洗濯機を使用せず手洗いをする。
- 洗濯機を使用する場合は、摩擦が生じにくいおしゃれ着洗いコースなどでお洗濯する。
- 摩擦の発生を軽減するために、なるべく他の洗濯物と一緒に洗わないようにする。
- 他の衣類などと一緒にお洗濯する場合は、摩擦を生じにくくするために、洗濯ネット・手押し洗いネットに入れて洗う。
- Tシャツのプリント面を裏返しにして洗濯ネット・手押し洗いネットなどに入れお洗濯する。
- 熱による劣化を防ぐため、乾燥機やアイロンは使用しない。やむをえず使用する場合は低温&短時間にする。
- プリント面を裏返しにして、直射日光が当たらない風通しの良い日陰に、プリント部分が折れ曲がらないようにして陰干しする。
- 陰干しする際に、型崩れ防止ハンガーを使用すればTシャツ生地の劣化防止にも繋がります。
- 収納する際は、プリント部分をなるべく折らないようにするか、ハンガーなどに掛けてクローゼットに収納する。
原因その2:着ているTシャツが頻繁に引っ張られる
プリントTシャツのプリントは、引っ張れば引っ張るほどひび割れを起こしやすくなります。
例えば、プリントTシャツを着用してお子さんが元気に遊びまわったり、大人がスポーツの競技や練習用に着用して激しく運動すれば、Tシャツが頻繁に引っ張られ、生地の伸び率が上がり、プリントはひび割れを起こしやすくなります。
また、前の項目でも触れましたが、お洗濯の際にはTシャツが頻繁に引っ張られるので、生地が伸びたり摩擦が生じやすくなり、ひび割れが起こりやすくなります。
お洗濯の際にひび割れが起こりやすくなる要因のひとつとしては、プリント部分のインクが水分を吸収し、柔らかくなり、その状態でTシャツ生地を引っ張ると、インクの樹脂はそれについて行こうと伸びるが、伸縮限度を超えると生地についていけずに、割れてしまうという現象が挙げられます。更にインクは洗濯と乾燥を繰り返す度に柔軟性を徐々に失い、よりひび割れしやすくなってしまうのです。
着用しているときも、お洗濯するときも、いかにプリントTシャツを引っ張らずに取り扱うことができるかが、プリントのひび割れを防止するカギとなるのです。
原因その3:経年劣化
前の項目でも言及しましたが、Tシャツのプリント方法や、生地の素材を問わず、プリント部分の経年劣化はいつか必ず発生します。
しかし、ここまで紹介してきたケアを1つでも、1回でも多く実行することができれば、経年劣化を遅らせて、プリントのひび割れも抑制することがきっと出来るはずです。
Tシャツのプリントがひび割れたときの修復方法
Tシャツのプリント部分がひび割れしてしまった場合、ひび割れの程度にもよりますが、セルフで修理することも可能です。
ここではセルフでプリントのひび割れを修正する際によく用いられる、アクリル絵の具・布用絵の具・アイロンによる修復方法をご紹介します。
修復方法その1:アクリル絵の具で修復する
アクリル絵の具は、豊かな表現力で布にも発色よく描くことができます。水性で水に溶けやすい絵の具ですが、一度乾燥させるとお洗濯しても落ちにくく、耐水効果に優れています。逆に誤って塗ったインクを乾燥させてしまうと、洗濯しても落ちなくなる場合があるので注意が必要です。100円均一ショップで安価な値段で手軽に入手できます。
■アクリル絵の具を使った修復方法
- 摩擦が生じやすい洗濯機を使用せず手洗いをします。
- 洗濯機を使用する場合は、摩擦が生じにくいおしゃれ着洗いコースなどでお洗濯します。
- 他の衣類などと一緒にお洗濯する場合は、摩擦もより生じにくくするために、洗濯ネット・手押し洗いネットに入れて洗います。
- 収納する際は、プリント部分をなるべく折らないようにするか、ハンガーなどに掛けてクローゼットに収納します。
修復方法その2:布用絵の具で修復する
布に定着しやすく、繰り返しお洗濯しても落ちにくい絵の具。リアル店舗やwebショップで簡単に入手することができます。ペンやクレヨンタイプが使いやすいのでおすすめです。特に白や黒などの単色のロゴプリントの修復には向いています。
■布用絵の具を使った修復方法
- インクが周りに滲まないように、Tシャツの補修箇所の周りをマスキングテープなどで囲います。
- ひび割れをおこしているプリント部分の色に合わせて、筆で少しずつ布用インクを塗っていきます。Tシャツの端のほうを使って、事前に発色の度合いを確認しておくと安心です。
- インクを塗ったTシャツは約1日、よく乾燥させます。
- あて布をしながらアイロンがけをします。
- 発色を確認して問題がなければ完成です。尚、布用絵の具はTシャツのプリントより色が薄く発色する傾向があるので、薄いと感じた場合は、1~3の工程を繰り返して調整を行ってください。
修復方法その3:アイロンで修復する
プリント部分の細かいひび割れであれば、アイロンを使って目立たなくすることが可能です。プリント部分はとてもデリケートなので、温度調整は丁寧に行うことを推奨します。具体的なアイロンの温度設定についてはアイロンメーカーやモデルによっても異なりますが、Tシャツの生地がポリエステルやナイロンといった化学繊維生地は約100度、ウールやシルクなどの動物性繊維生地は約120度、綿や麻などの天然繊維生地は約150度が目安と言われています。
■アイロンを使った修復方法
- アイロンとあて布(ガーゼやキッチンペーパーなど)を用意します。
- 中温に設定したアイロンを、様子を見ながら数十秒間、あて布を使って当てていきます。温度は低すぎると効果がなく、逆に高すぎると余計なダメージを与えてしまいます。
- 丁寧にあて布をはがせば完成です。あて布をはがす際に、ダメージを受けていない綺麗なプリント部分に、誤ってダメージを与えないように気をつけましょう。
修復方法その4:専門の業者へ依頼し修復してもらう
プリントのひび割れを修復する方法はわかったけど、上手に修復できるか心配という方は、洋服のお直し専門業者さんや、クリーニングショップなどのプロに相談してみるのもオススメです。
誤った方法で無理に修復しようとして、逆にプリントのひび割れが悪化してしまうというケースもあるので、ミスせずに確実に修復したいという方は一度ご検討ください。
ひび割れをデザインとして受け入れるのも一つの手
プリントTシャツのひび割れがすべて悪かというと、決してそんなことはありません。
実際に新品のプリントTシャツを製作する際に、あえてプリント部分にひび割れ加工を施して、古着のようなプリントTシャツを製作する、ひび割れプリント(クラックプリント)というプリント方法も存在します。
参考サイト:ひび割れプリント(クラックプリント)とは?メリット・デメリットを徹底解説
オリジナルプリントのデザインを作成する際に、ひび割れしてもおしゃれなデザインを考えたり、発生したひび割れを味として受け入れることができれば、プリントTシャツの魅力をより一層理解することができるはずです。
まとめ
プリントTシャツや衣類に限らず、あらゆる物は、時間の経過とともに劣化します。
必要以上に劣化を嫌うのではなく、経年劣化を楽しみながら受け入れるという考え方も、プリントTシャツの魅力を味わい尽くすためには必要なスキルなのかもしれません。
キラメックではひび割れ加工を施した、ヴィンテージ感漂う古着風のオリジナルTシャツの製作も承っておりますので、お気軽にご相談ください。