裏毛(うらけ)と裏起毛(うらきもう)の違い
裏毛と裏起毛と聞いてあなたはどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか?
そもそも裏毛と裏起毛は別物だということはご存じでしょうか?
普段の生活では特に気にかけることもなかった、裏毛と裏起毛というワードですが、オリジナルのタオル・スウェット・パーカーなどを製作しようと思っている方は、よく目にしているはずです。
このページでは似ているようで、じつは異なる裏毛と裏起毛の違いや特徴についてご紹介しようと思います。
- 目次
- 裏毛(うらけ)とは?
- 裏起毛(うらきもう)とは?
- ボリューム感のある裏起毛アイテムをおしゃれに着こなす方法
- 小さなお子様の裏起毛アイテム着用は慎重に
- 裏毛・裏起毛製品にオススメのお洗濯方法
- まとめ
裏毛(うらけ)とは?
裏毛とは、生地の表面は平編み(天竺編み)で、裏面の裏糸をタオル生地のようなパイル状(ループ状)に編み込んで浮かせた生地のことをさします。別称で裏パイルとも呼ばれ、スウェットやパーカー、タオルなどによく使われています。
■機能性と用途
裏毛は吸水性や吸湿性に優れているため、タオル用の生地として人気が高いです。また、冬に着用するインナー用のパーカーや、春・秋に1枚で快適に着用できるスウェットの生地としても重宝します。吸湿性の高さからスポーツ関連のアイテムとしてもとても相性が良く、オールシーズンで活躍してくれます。
裏起毛(うらきもう)とは?
裏起毛は文字通り裏毛のループ状の編みを毛羽立たせたものです。サラサラとした柔らかい手触りの素材感で、ふんわりとした着心地が特徴です。裏毛よりも厚みがあり温かく、寒いシーズンには欠かせないため、冬用ウェアの生地としてとても重宝します。
■機能性と用途
裏毛よりも厚みがある生地で、保温性と保湿性に優れている裏起毛は、生地の中に空気が多く含まれているためとても温かく、冬用のスウェット・パーカーや防寒着の生地としてはもちろん、冬用の靴下にも使用されることが多く、冷えがちな足元からしっかりと温めてくれます。冬のレイヤードスタイルに欠かせないマストな素材です。
ボリューム感のある裏起毛アイテムをおしゃれに着こなす方法
寒い季節でも暖かく快適に過ごすことができる、裏起毛のウェアですが、厚手なアイテムが多いが故に着ぶくれしやすいというデメリットがあります。
「暖かく過ごしたいけれど、着ぶくれするのは嫌」と思っているあなたも、裏起毛アイテムを上手に取り入れて、暖かく快適に寒い季節のおしゃれを楽しんでください。
■裏起毛アイテムをおしゃれに着こなすためのポイント
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- フィットする裏起毛のボトムスを取り入れる
- 裏起毛のアイテムといえば、トップスを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、近年は裏起毛のボトムス(パンツ・スカート)も人気。ストレッチ素材のスキニーパンツやイージーパンツなど、身体のラインにぴったりとフィットして細見え効果が期待できるアイテムも豊富です。頭寒足熱という言葉があるように、冷えがちな足元を温めることで血液の流れが良くなり健康に良いと昔から言われています。
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- ハイウエストの裏起毛ボトムスを取り入れる
- 「裏起毛のボトムスを取り入れたいけど、スキニーパンツなどの脚のラインがぴったり出るアイテムは、ちょっと抵抗が…」と思っている方にはハイウエストの裏起毛ガウチョパンツ・スカートがオススメです。ウエスト位置が高めなので、すらりと脚長効果が期待できるのがポイント。ウエストゴムなので着脱しやすく、おなか周りが気になる方でもスッキリ着こなせます。上から下にかけて裾がふんわり広がるので、脚のラインもキレイに見えて、腰まわりや太もも、お尻などの気になるところも上手にカバーしてくれます。
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- トレンドのオーバーサイズコーデを取り入れる
- どんな裏起毛アイテムでも取り入れやすいのがトレンドのオーバーサイズコーデです。おなかや二の腕、太ももなど、気になる部分を隠しながら裏起毛アイテムを暖かくおしゃれに着こなせます。ただし、トップスとボトムス両方にオーバーサイズを取り入れる着こなしにはハイレベルなファッションセンスが要求されるため、オーバーサイズコーデ初心者の方は、上下どちらかだけにオーバーサイズを取り入れて、バランスの良い着こなしを心掛けるようにしましょう。
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- 裏起毛を部分使いしたアイテムを取り入れる
- 近年は、トレーナーやパーカーといったトップスや、パンツ・スカートなどのボトムス以外にも裏起毛を部分使いした、レースやニットなどの上品な透け感のシアートップス・シースルーカットソーにも注目が集まっています。見ためはスッキリしているのに1枚でしっかり暖かい、おしゃれかつ暖かい着こなしを実現することができます。
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- 裏起毛のインナーやソックスを取り入れる
- 底冷えするような真冬日は、裏起毛のインナーやソックスを取り入れるのもオススメです。肌にぴったりフィットして体温を逃がさない裏起毛インナーや、足元の冷え対策&スカート着用時に効果的な裏起毛ソックス・タイツの重ね履きで寒い季節も快適に過ごせます。
小さなお子様の裏起毛アイテム着用は慎重に
近年は裏起毛を用いた子ども服も豊富に販売されています。
しかし、特に小さなお子様に裏起毛アイテムを着用させる際には、以下の2つの注意点を十分に理解したうえで判断されることを推奨します。
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- 注意点その1
- 小さなお子様は平熱が大人よりも高かったり、駆け回って遊ぶことも多く、特に暖房完備の室内だとたくさんの汗をかきます。裏起毛の服は吸水性が低いため汗を吸収せず、そのまま寒い場所に移動すると汗で体が冷えて風邪をひいたり、体調を崩す原因になってしまうのです。
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- 注意点その2
- 裏起毛の服は厚手生地のものが多いため、どうしても動きにくくなります。遊んでいる最中に身動きが取れず転んでしまったり、怪我や事故が発生するリスクが高まります。
以上のような点から、保育園や幼稚園でも裏起毛の服の着用をNGにしている施設もあるほどなので、お子様に裏起毛の服を着用させる際は慎重に判断されることをおすすめします。
裏毛・裏起毛製品にオススメのお洗濯方法
裏毛・裏起毛製品を着用した後は、しっかりと汚れを落としてケアすることもとても重要です。
お洗濯のポイントや注意事項に沿って丁寧にお洗濯すれば、長い期間良い状態を維持した製品を使用できるはずです。
■裏毛製品のお洗濯方法
全ての衣類に共通することですが、まずは裏毛製品についている洗濯表示を確認後、表示内容と以下の点にも注意しながらお洗濯をすることをオススメします。
裏毛製品のお洗濯のポイント
- 水かぬるま湯でお洗濯する(⇒過度な熱による製品の縮み回避のため)
- 色がついた製品と白い製品は別々にお洗濯する(⇒衣類同士の色移りを回避するため)
- ジッパーやボタンがついている製品はそれらを閉めてからお洗濯する(⇒他の衣類への引っ掛かりを回避するため)
- 洗濯ネットに入れてお洗濯する(⇒他の衣類との摩擦を防ぎ、毛玉やダメージを最小限に抑えるため)
- 洗濯機を使用する際は、弱水流モードや手洗いモードでお洗濯する(⇒高速回転などの摩擦によるダメージを回避するため)
- すすぎは2~3回程度しっかりと行う(⇒生地に残った洗剤による変色や傷みを回避するため)
■裏起毛製品のお洗濯方法
裏起毛製品は厚手で乾きにくいものも多いですが、しっかりと陰干し&自然乾燥させることで、ふんわりとした暖かい質感が長期間維持されて、繰り返し何度も着用することができます。以下のポイントもチェックしながらお洗濯してもらえればと思います。
裏起毛製品のお洗濯のポイント
- 基本的に手洗いがオススメ(⇒フワフワした裏起毛の風合いを損なわず維持するため)
- 乾燥機の使用はNG!直射日光が当たらない風通しの良い場所で陰干しする(⇒高温・熱風による製品の縮みを回避するため)
- 裏起毛部分を乾いたタオルで起毛の向きを直しながら拭いてあげる(⇒乾いた際のふんわり感を維持するため)
- 重みがあるスウェットを陰干しする際は、肩部分が太めのハンガーを使用する!できれば平干しがオススメ(⇒製品の型崩れを回避するため)
- 洗濯機を使用する際は、裏起毛タイプのスウェットは裏返さずに、たたんで洗濯ネットに入れ、洗濯機の弱水流モード&脱水約1分に設定しお洗濯する(⇒裏起毛のやわらかな風合いを損なわず維持するため)
まとめ
肌触りのよいタオルやスウェット・パーカーをはじめ、裏毛&裏起毛製品は日常生活の様々な場面で重宝するアイテムばかりです。
裏毛&裏起毛製品の違いや特徴を知ってもらうことで、少しでも長く大切に使ってもらえればと思います。