アイロンプリントでオリジナルTシャツを作る手順とは? コツも紹介
オリジナルTシャツ製作を、非常に手軽かつ低コストで出来る方法のひとつとして、アイロンプリントがあります。
パソコンでのデザインに慣れている人であれば、プリントシートとアイロン、そしてボディとなる無地Tシャツがあれば出来てしまいますのでオリジナルTシャツの製作方法として昔から人気があります。
一方でプロの業者に依頼して作ってもらうオリジナルTシャツと比べるとコストを安く抑えられる分、やはりデメリットも存在します。
そこで今回は、アイロンプリントで作るオリジナルTシャツにスポットを当て、詳しい製作方法やメリット・デメリットについて考えてみました。
アイロンプリントとは?
Tシャツをはじめ、帽子やトートバッグ等にオリジナルデザインをプリントする方法のひとつで、基本的にはパソコンとアイロンがあれば誰でも製作可能です。
専用のアイロンプリントシート(熱転写紙・熱転写シート・熱転写フィルムとも言います)は、家電量販店や印刷用品店、ネット通販、さらに昨今では100均などでも販売されていますので、簡単に手に入れることができます。
このアイロンプリントシートにパソコンで製作したデザインを印刷し、Tシャツの上に乗せ、アイロンを使用し圧着させてデザインを転写させる方法です。デザインに使用される色数制限などもなく、グラデーションや画像等を使ったフルカラーデザインでも対応可能です。
アイロンプリントシートの選び方
それでは実際に、アイロンプリントシートを使った基本的なオリジナルTシャツの製作手順を解説してみたいと思います。
1.プリント位置やプリントサイズを決める
まずTシャツのどの部分にどんなオリジナルデザインをプリントしたいかを決める必要があります。
オリジナルTシャツを製作してくれる業者の中には、すでに決められているプリント位置以外へのプリントは注文できなかったり、別途で料金が発生する場合もありますが、アイロンプリントの場合はそういった決まりもないため、好きな位置へ好きなようにデザインを入れられます。
2.パソコンでデザインデータを作成する
プリントする位置が決まったらパソコンの画像編集ソフトやデザインソフトを使って、その位置にプリントするオリジナルデザインを作成します。
基本的にアイロンプリントはフルカラー対応のものがほとんどのため、シートをはみ出すようなサイズでなければどんなデザインでも構いませんが、アイロンプリントのメーカーによってはこの時、デザインを反転させなければならないタイプもありますので、プリント前にしっかりと確認しておきましょう。
3.デザインデータをアイロンプリントシートに印刷し、必要ない部分を切り取る
デザインデータが出来上がったら、それをプリンターでアイロンプリントシートに印刷し、ハサミやカッターなどを使って必要のない余白部分を切り取ります。この時、デザインの外周が複雑な形状だとその分切り取りの難易度も上がりますので、その辺りも考慮した上でデザイン作成すると良いかもしれません。
4.Tシャツに熱転写シートを当て、アイロンで圧着する
Tシャツのプリントしたい箇所の細かいホコリを取り、予めアイロンがけをしてシワを伸ばしてから、プリントシートを乗せて、アイロンプレスします。
使用するアイロンは家庭にある一般的なもので構いませんが、スチーム穴があるタイプの場合、この穴部分はしっかりと圧をかけることが出来ないためアイロンの中央部分を意識し、特にシートの端のほうは入念に体重をかけてプレスします。
この際、アイロンのスチーム機能は使わず、シートの説明書にある推奨温度を守りましょう。
またこの圧着時はアイロン台やラバースポンジマット等といったクッション性のある物の上で行うと、綺麗に圧着できます。
5.冷めるのを待ってシートをゆっくり剥がす
圧着作業が終わったら冷めるまで根気良く待ってから、ゆっくり慎重に裏紙をTシャツから剥がします。
この行程を慌てて雑にやってしまうと、せっかくのデザインにかすれなどが生じる可能性があるので注意しましょう。
6.仕上げの圧着をする
最後に、Tシャツのデザインがプリントされた部分に仕上げシートを乗せ、その上から再度アイロンプレスをします。この際も1か所につき5秒を2回ずつほど、しっかりと体重を乗せて圧をかけます。
終わったら再度完全に冷めるのを待ち、仕上げシートを剥がしたら完成です。
アイロンプリントでオリジナルTシャツを自作するメリットとデメリット
アイロンプリントで作るオリジナルTシャツは手軽で自由が高いというメリットがありますが、一方でやはりデメリットも全くないわけではありません。ここではそんなメリットとデメリットをご紹介してみます。
【メリット】
■費用が抑えられる
上のほうでも書いたとおり、アイロンプリントシートは今では100均などでも販売されていますし、無地のTシャツも安いものであれば数百円で手に入れることができます。そのため体育祭などのイベント事に、一回きりだけオリジナルTシャツを使いたい場合などにはアイロンプリントは有効な手段と言えます。
■慣れればすぐに新しいTシャツを製作できる
アイロンプリントによるオリジナルTシャツの製作は、手順を読んでいただければわかるとおり多少のコツが必要ではありますが、それでも慣れれば誰でもできる程度のものです。特に自宅でやる細々とした工作が好きだったり得意な方であれば、ほんの数時間で新しいTシャツを作ることができ、業者に発注するよりも断然早いかと思います。
■1枚から作ることが可能
オリジナルTシャツを作成してくれる業者の中には「最低5枚から」なんてところもありますが、自宅で作れるアイロンプリントでしたら1枚からでも自由に作ることができます。また1枚ずつ色々なデザインのTシャツを作りたい場合にも最適です。
■色の制限がない
市販されているTシャツの代表的なプリント方法といえばシルクスクリーンプリントですが、これはデザインに使われている色数分だけで版を作る必要があります。そのため業者に発注すると色数で料金が変わってきますが、アイロンプリントの場合、色数は関係なく低コストで作ることができる点も魅力です。
■イメージを他者に伝える必要がない
業者にオリジナルTシャツ製作を依頼する場合、デザインのサイズや位置などを指定する必要がありますが、アイロンプリントは目の前にあるTシャツに自分の手でプリントするわけですから、そういった手間もいりません。特にTシャツのあまり一般的ではない場所にオリジナルデザインを入れたい場合などにアイロンプリントは最適です。
【デメリット】
■仕上がりが安っぽくなりがち
やはりプロの業者が仕上げるプリントTシャツに比べると、アイロンプリントは多少安っぽく見えるという意見もあります。フルカラーデザイン対応という点は非常に良いのですが、どうしてもシールのように表面に貼り付けたような見た目になってしまうため、仕上がりのクオリティを求めるのであればやはり、専門業者に発注するのが良いかと思います。
■耐久性が劣る傾向になる
アイロンプリントにも様々な種類がありますが、中には洗濯をすること自体が不可のタイプもあります。それでも強引に洗濯してみるとプリント部分が剥がれてしまったりします。また洗濯可能なタイプであっても、耐久性という面では専門業者で製作したオリジナルTシャツと比較すると落ち、何度でも繰り返し洗って着られるかというそうでもありません。
■パソコンスキルが必要
アイロンプリントでオリジナルTシャツを作成するのなら、パソコンとプリンターは必須になりますし、デザイン製作もパソコン上で出来なければいけません。Tシャツ製作を請け負う業者の中には、オリジナルデザインの入稿を手描きのデータでも受け付けてくれるところもあるため(弊社キラメックも手描きのデータ入稿を受け付けております)パソコン自体が苦手という方はアイロンプリントは不向きと言えます。
■失敗する可能性がある
慣れれば誰でも簡単にできるようになるアイロンプリントですが、やはり手作業でやるもののため、失敗する可能性はありますし、そうなると時間も費用も無駄になってしまいます。オリジナルTシャツ製作を業者に依頼した場合、失敗作が届けばクレームを入れて製作し直してもらえたりしますが、自分でやるアイロンプリントの場合、そうもいきませんので、細かい作業が苦手だったり面倒に感じてしまう方には向いていないかもしれません。
■大量に作ることが難しい
アイロンプリントは1枚1枚手作業でシートをカットし、アイロンプレスをしなければならないため、いくら全く同じデザインと言えども一度に沢山のオリジナルTシャツを作るのは、出来ないことはありませんがかなり根気がいります。例えば、文化祭の出し物でクラス全員分のオリジナルTシャツを作らなければならない、なんて場合はアイロンプリントでは時間も手間もかかります。プリント箇所の数や納期などにもよりますが、大量生産の場合、もしかすると専門業者に発注してしまったほうが、費用は安く抑えられるかもしれません。
質の高いオリジナルシャツはプロに頼むのがおすすめ
アイロンプリントの自由度の高さやコストの低さには惹かれますが、手間もかかりますし失敗すればシートもTシャツも無駄になり、また綺麗に仕上がったとしてもやはり、プロ業者が作るようなオリジナルTシャツとは少し差がでます。
そのため、オリジナルTシャツにクオリティを求めるのなら、やはりプロの専門業者に依頼してしまうのが一番良いかと思います。業者にもアイロンプリントと同じように版を必要とせず、フルカラーデザイン対応の製法もありますし、パソコンが使えない方でも気軽に注文出来るところも利点です。
1枚だけの製作コストを考えれば当然プロの業者のほうが高くはなりますが、上記したようにオリジナルTシャツを大量枚数を作りたい場合などは、反対に安くなる可能性もありますし。
まとめ
アイロンプリントで作るオリジナルTシャツ、いかがでしたでしょうか。
作ること自体を楽しめる方には良いですが、もう少しクオリティの高いオリジナルTシャツを製作したい、耐久性の良いオリジナルTシャツが欲しいということであれば、製作実績と経験豊富なキラメックが承ります。
ボディとなるTシャツの種類も非常に豊富な上、名入れ方法もフルカラー印刷から金や銀を使用したラメプリント、また刺繍でのお仕上げも可能です。さらにデザインデータは手描きでも受け付けておりますので、お気軽にご相談いただければ幸いです。