ワイシャツの黄ばみの原因を徹底解説!
ワイシャツはビジネスシーンやフォーマルな場面で広く着用される衣服であり、清潔で印象的な外見を保つことが求められます。しかし、時折見られる黄ばみは、その清潔さを損なうだけでなく、着用者にとっても不快ですし、気になる問題です。そこで今回は、そんなワイシャツの黄ばみの原因について探求し、その対処法について考察してみたいと思います。
黄ばみの主な原因は汗と皮脂
ワイシャツの黄ばみの主な原因はずばり「汗」と「皮脂」です。
これらがワイシャツに付着することで繊維と化学反応を起こし、白く綺麗だったワイシャツは黄ばんでしまいます。そのため理論的に言えば、そんな汗や皮脂をワイシャツに付着させなければ黄ばみは起きません(とはいえ、もちろん黄ばみは他にも要因はあります)。
昨今では発汗を抑制する効果のある制汗スプレーや汗拭きシート、また飲み薬なども販売されていますが、しかし現実問題として、人体のメカニズムとして汗や皮脂は必ず発せられるもので、直接肌と接するワイシャツに汗や皮脂を全く付けずに過ごすことは残念ながら不可能です。
汗や皮脂って結局なに?
汗や皮脂が無かったらワイシャツの洗濯も楽なのに、と筆者である私もじつは考えたことがあります。そして結局、汗や皮脂って何なのだろう?汗と皮脂って違うの?といった疑問にまでたどり着いたため、ちょっと調べてみました。
■汗(発汗)
構成成分:汗は99%が水分です。そして残りの1%は塩分であるナトリウムと、カリウム、マグネシウム、亜鉛、鉄、重炭酸イオン等のミネラルや電解質、そして尿素や乳酸などの老廃物からなります。
分泌器官:汗は汗腺と呼ばれる腺から分泌されます。主にエクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類があります。エクリン汗腺は体のほとんどの部位に分布しており、体温調節や水分の排出を担当します。一方、アポクリン汗腺は主に脇や陰部などの毛包の周囲に存在し、感情的な刺激や性的興奮によって刺激されます。
役割:汗は体温調節において重要な役割を果たしています。体が熱を放散するために、汗が皮膚表面に分泌されることで蒸発熱を利用して熱を奪い、体温を下げます。また汗は同時に老廃物や毒素の排出も助けます。
■皮脂
構成成分:皮脂は主にセバムと呼ばれる複雑な混合物で構成されています。セバムには脂肪酸、ワックスエステル、トリグリセリド、スクワレン、コレステロールなどの成分が含まれています。
分泌器官:皮脂は皮脂腺と呼ばれる腺から分泌されます。皮脂腺は毛包の周りに存在し、皮膚表面に分泌される油状の物質である皮脂を生成します。
役割:皮脂は皮膚の保護と潤い維持に重要な役割を果たしています。皮脂は水分蒸発を防ぎ、外部からの刺激や細菌の侵入を防ぐ皮膚バリアを形成します。また、皮脂は皮膚の表面を滑らかにし、摩擦に対する保護を提供します。さらに皮脂には抗菌作用があり、皮膚のバランスを保つのに役立ちます。
こうやって見るとやはり汗も皮脂も人体の健康維持には無くてはならないものです。もし完全に発汗せず、皮脂も分泌しなくなったとすると、体温調整ができずに体は発熱し、体内に老廃物や毒素が溜まり、さらに体の表面はガサガサに乾燥し、菌も体内に侵入しやくなってしまいます。
汗は99%が水なのに何故ワイシャツは黄ばむのか
上で紹介したように、汗の構成成分の99%はただの水です。それなのに何故ワイシャツは黄ばんでしまうのか。それは残りの1%が原因です。
まずは塩分であるナトリウム。汗を舐めるとしょっぱさを感じるのはこれが原因ですが、このナトリウムはワイシャツの繊維に残って乾燥すると、結晶化が起こり黄ばみを引き起こします。
また汗の成分に含まれる尿素は、皮脂と相互作用して黄ばみの原因となります。特に襟や袖口など、皮脂との接触が多い部分に黄ばみが現れやすい特徴があります。
さらに皮脂もやはり大きな原因のひとつです。皮脂には脂肪酸やワックスエステル、コレステロールなどが含まれていますが、これらがワイシャツの布地に残留すると時間とともに酸化や変色を起こし、これが黄ばみとなります。また皮脂は汚れやダストを引き寄せることもあり、それによって黄ばみがより目立ちやすくなります。皮脂の影響で生じる黄ばみは、時間の経過とともに布地に浸透し、除去が難しくなるため、できるだけ早い対処が必要です。
汗や皮脂によるワイシャツ黄ばみの予防方法
そもそも汗や皮脂を発生させないということは不可能ではありますが、着ているワイシャツへ付着させない方法はいくつかあります。また付着してしまったとしても黄ばみを起こさなければ良いのです。ということでここでは、黄ばみの予防方法を紹介いたします。
■汗や皮脂を付着させない予防アイテム
1.スプレータイプの洗濯のり
耐熱性ポリマーやシリコンが成分に入っている洗濯のりは、洗濯し乾燥させたワイシャツにアイロンをかける前に使用すると、張りのあるパリっとした仕上がりになりますが、これは同時に汗や皮脂といった汚れの付着を抑えられる効果もあるため、予防方法として有効です。
ただし、あくまで「付着を抑えられる」であって「付着を防ぐ」わけではありません。また形状安定シャツに洗濯のりを使用すると、かえってその機能を失わせる可能性もあるため、注意が必要です。
2.襟汚れ防止テープ
襟などや袖口などに専用のテープを貼ることによって、皮脂の付着を物理的に防止することができます。この専用テープは百円ショップやドラッグストア、ホームセンター、またネット通販などでも販売されているため、手に入れるのは比較的容易です。また脇汗パッドという、脇の汗を吸収する商品もあります。
ただし、これらは基本的に使い捨てタイプのため、毎日使用するとなると、コストはそれなりにかかることを覚悟しておく必要があります。
3.ベビーパウダー
ベビーパウダーはその名のとおり、赤ちゃんに使用する汗疹対策用のものですが、これも実は汗や皮脂の予防アイテムとして有効です。でんぷんと鉱物が主成分で、水分を吸収すると同時に摩擦を減らす特性があります。そのため肌に優しい制汗剤としても使用することができ、またワイシャツに付着しても、すぐに洗濯をすれば簡単に落とせます。
使用方法は赤ちゃんに使うのと同じく、パフを利用して襟もとや脇などに軽くはたいてください。
ベビーパウダーは比較的安価で販売されていますので、コストパフォーマンス的にもおすすめです。
ちなみに、女性がメイクで使用するファンデーションやフェイスパウダーなども同じような汗を抑える効果がありますが、油性成分を含んでいる場合が多く、これはベビーパウダーと違い、ワイシャツに付着すると落とすのが比較的難しくなるため注意が必要です。
■汗や皮脂が原因の黄ばみを起こさない方法
1.できるだけ早く洗濯する
上記のような予防策をとらなかった場合、また、予防をしていたとしても、一日着たワイシャツは帰宅後、なるべく早く洗濯することをおすすめします。付着した汗や皮脂の汚れは時間が経てば経つほど繊維に浸透し、ワイシャツを黄ばませ、それを落とすのも困難になります。
そのため、仕事などでワイシャツを着るような場合は毎日交換し、帰宅後は毎回すぐに洗うように心がけましょう。
2.使用する洗剤の量に注意
ワイシャツの黄ばみの原因はじつは汗や皮脂だけでなく、使用する洗濯用洗剤や漂白剤にもあります。
それらは基本的には衣類を白く綺麗にするものですが、使う量が多すぎたり、すすぎが十分でないとワイシャツの繊維に洗剤が残ってしまいます。これが黄ばみの原因になるのです。
洗濯用洗剤は、多く使えばそれだけ綺麗になるというものではありません。適切な量で適切な洗い方をすることが重要です。
3.適切な乾燥
ワイシャツの洗濯後の乾燥ですが、できるだけ乾燥機の使用は避け、自然乾燥させるほうが良いでしょう。
乾燥機の高温は黄ばみを定着させる要因となる場合があります。
また自然乾燥させる際は直射日光が当たる場所は避けた上で、風通しの良い場所を選ぶようにしましょう。
4.定期的な交換
定期的な交換とはつまりは買い替えです。
上記のような予防方法をとり、毎日のように洗濯をすればワイシャツの寿命を伸ばすことはできますが、それでも古くなっていけば新品のような白さを維持することはできません。
買い替えはそれなりにコストがかかりますが、ワイシャツのように肌に直接触れる衣類は特に消耗品と言っても過言ではありません。
定期的な交換により、常に清潔な状態を保つことができ、気分良くワイシャツを着続けることができるのです。
まとめ
ということで今回はワイシャツにおける黄ばみの原因について掘り下げてみましたが、いかがでしたでしょうか。
筆者である私もよくワイシャツは着ますが、特に白は黄ばみはよく目立ち、着ていても気分が良いものではありません。そのため黄ばみの原因をよく理解し、適切な予防方法をとることが重要です。
また、それでもワイシャツに発生した黄ばみは出来るだけ早く対処することをおすすめしますが、その対処方法はまた別の機会に改めて、このスタッフブログで紹介できればと思っております。
さらに弊社キラメックでは、ワイシャツのラインナップも幅広く、オリジナルプリントも快く承っております。興味のある方は是非そちらも合わせてご覧いただければ幸いです。