ラバープリントとは? 製作時の注意点や剥がれの予防策・修理方法について解説
これからオリジナルプリントTシャツを製作する方には知っておいてもらいたい、ラバープリントについてのあれこれをこのページではご紹介しようと思います。
ラバープリントについての理解が深まれば、より一層満足度の高いオリジナルTシャツを製作するための手がかりがつかめるはずです。
- 目次
- ラバープリントとは?
- ラバープリントの特長
- ラバープリントTシャツを製作する際の注意点
- ラバープリントが剥がれてしまったときの修理方法
- ラバープリントの剥がれ予防につながるお手入れのポイント
- まとめ
ラバープリントとは?
ラバープリントとは最も基本的であり、広く使用されているプリント技法で、お店で販売されているプリントTシャツのほとんどの商品はラバープリントと言っても過言ではありません。
生地の表面にインクを定着させてプリントするため、濃色生地にも発色の良いプリントが可能で、更には蛍光色やラメといった特殊なインクを使用することで様々な表現をすることができます。
尚、ラバープリントの定義は印刷業者さんの所在地によっても異なるということで、例えば、西日本では水性インクを使用している業者さんが多く、このような業者さんは水性インクを使用したプリントをラバープリントと呼んでいます。しかし、東日本だと油性インクを使用している業者さんが多いため、それらの業者さんは油性インクを使用したプリントをラバープリントと呼んでいるので、現場レベルでもラバープリントの定義は曖昧な部分が多いと言えそうです。
他にも、ラバープリントはシルクスクリーンプリントと同じ技法を使用するため、シルクスクリーン=ラバープリントとしている業者さんも実際に存在するということからもラバープリントという言葉は広義的な意味で使われているということがわかります。
ラバープリントの特長
プリント技法の中で最もメジャーなラバープリントには、主に3つの特長があります。
オリジナルTシャツ製作に役立つ内容も多く含んでいるので、これからオリジナルTシャツを作りたいとお考えの方は、参考としてご覧いただければと思います。
比較的リーズナブルにプリントできる
ラバープリントの特徴のひとつに、他のプリント方法と比べても比較的リーズナブルにプリントすることができるというメリットがあります。理由は複数あると思いますが、主に以下の事柄が要因として考えられます。
■ラバープリントが比較的リーズナブルな理由
- 最も基本的なプリント技法であるラバープリントは、版やインクの種類も豊富なため、生産コストが低く、安価で提供できる。
- シルクスクリーンプリントと同じ方法で作成できるため、大量注文を受けて同時印刷が可能なため、単価を抑えることができる。
- 染み込みプリントのように、生地の色に合わせてインクを調整する必要がなく、手間や時間が省けて予算も抑えることができる。
丈夫で劣化しにくい
ラバープリントは、丈夫で劣化しにくく耐久性に優れています。
ラバープリントという名前の通り、縦にも横にも伸縮自在なので、繰り返しお洗濯しても簡単にプリント面が割れたり剥がれたりすることはほとんどありません。
色褪せも起こりにくいため、製作完成時の状態を長期間維持できるということもメリットのひとつです。
生地の色が濃くてもきれいにプリントできる
ラバープリントなら、生地の地色が濃い場合でもプリント部分に透けて見える心配がありません。
高密度で生地の表面にインクを付着させるラバープリントなら、他のプリント手法だと透けて見えてしまう濃い色の生地だとしても、発色よく美しいプリントに仕上げることができます。
尚、どうしても生地の色の透けを回避したいという場合は、あらかじめ下地を白く塗り、白引きをしておくことを推奨します。
ラバープリントTシャツを製作する際の注意点
ここまでは、ラバープリントの魅力を中心に紹介してまいりましたが、実際に製作を開始する前に注意点もしっかりと押さえておくことは大切です。
特に注意点に関してはホームページを閲覧して、自分だけで判断するのではなく、業者さんとコンタクトをとって、正式に製作を依頼する前にしっかりと確認することを推奨します。
版代がかかる
ラバープリントは1つの柄ごとに「版」という型を作り、インクをのせて印刷する、シルクスクリーンプリントという技法を使って印刷します。
そのため、ラバープリントを使ったオリジナルプリントTシャツを製作する場合、製作費に一定の版代が計上されることになります。
ラバープリントの基本的な料金の考え方は以下になります。
版代+(単価×プリントする枚数)
例えばキラメックでは、ラバープリントのオリジナルTシャツを1枚だけ製作したいという相談をお客様からいただいた場合、ラバープリントはオーダー枚数が少ないほど1枚当たりの製作料金が高くなってしまう傾向があるという旨をご説明します。
このような場合、キラメックでは、インクジェットプリントを使用する方法だとお安く製作できるという旨をご提案しています。
ラバープリントを使ってオリジナルTシャツを製作する際は、版代や製作枚数についてもしっかり業者さんに確認をしたり、お客様のご要望を担当者に伝えて相談をしながら製作することを推奨いたします。
作る人の技術に仕上がりが左右される
ラバープリントTシャツの完成度は製作する人の技術によって大きく左右されます。
プリントを刷るときの力加減によって微妙に色合いが変わってしまったり、使用する生地との相性によっても仕上りが左右されるため、生地の特性についての知識も必要になります。
キラメックでは高品質なオリジナルラバープリントTシャツを、経験&知識豊富な熟練の職人が製作いたしますので、安心してご注文ください。
尚、Tシャツの仕上がりが心配なお客様は、一旦サンプルを製作してから内容を確認しながら進行していくという方法もございますので、詳細については担当スタッフまでご相談ください。
ラバープリントが剥がれてしまったときの修理方法
ラバープリントは経年により劣化し、いずれは必ず剥がれたり、ひび割れが発生します。
ちょっとしたラバープリントのひび割れや剥がれであれば、自分でも修理することが出来るので、修理の方法を注意点と併せてご紹介します。
尚、これからご紹介する修理方法はラバープリントの劣化が比較的穏やかな場合を想定しています。劣化が激しい場合は、プロのお店や業者さんに相談をして修理を依頼することを推奨します。
布用のボンドでつなぐ
ラバープリントがTシャツの生地から剥がれかかっているという段階であれば、布用ボンドを使って修復することが可能です。布用ボンドは100円ショップ・ホームセンター・手芸店などで手軽に購入できます。価格帯も100円~1,000円程度なので、手元に1本用意しておけばとても重宝します。
アイロンで圧着する
熱を使ってプリントしているタイプのTシャツで、剥がれてしまった部分に接着剤の成分が残っているようであれば、アイロンを使用し、熱を加えて圧着することで修理をすることも可能です。
尚、アイロンを使用する際は、必ず当て布をするようにしてください。
アイロンを使う際に当て布をしないと、インクが溶けてアイロンに移ってしまう可能性があります。
アイロンの温度は「中」に設定し、均等に少しずつ位置をずらしながら、押し当てるようにして圧着しましょう。一か所の部分だけに長時間アイロンを当てすぎてしまうと、その部分だけ色が変わってしまうこともあるので注意が必要です。
当て布には、ハンカチ・手ぬぐい・クッキングシート・キッチンペーパーの使用がオススメです。当て布に誤ってインクが付着してしまったり、プリント面に張り付いてしまう可能性もあるので、使い捨てのクッキングシート・キッチンペーパーはイチオシです。
布用ペンで目立たなくする
剥がれてしまったプリント部分を失くしてしまったり、うまく接着できないという場合は、布用のペンを使ってプリントが剥がれた部分に直接色を塗って修理するという方法もあります。
塗り始める前に、修復する箇所以外にインクが付着しないように、マスキングしてから始めるのがおすすめです。
尚、布用のペンを使って修理をする方法は、単純な内容の限定的で小さい範囲のみの修復には対応できますが、繊細なデザインや写真、広範囲のプリント修理には向いていません。
また、布用ペンを使って修理をする場合は、プリントの色と使用するペンのインクの色をぴったり合わせないと、修復した箇所が逆に目立ち、不格好なデザインになってしまう場合もあるので注意が必要です。
ラバープリントの剥がれ予防につながるお手入れのポイント
いずれは必ず劣化して、剥がれやひび割れが発生してしまうラバープリントですが、日々のお洗濯や収納をする際に、ちょっとした工夫をするだけで劣化を大幅に予防することが可能です。
ラバープリントTシャツのひび割れや剥がれを予防するためのオススメのお洗濯&収納方法をご紹介します。
裏返してネットに入れる
Tシャツのプリント部分に傷みが発生する原因の大部分は、お洗濯時だと言われています。
お洗濯の際にプリント部分が他の衣服などと擦れることによって、激しく劣化が進んでしまいます。
だからと言って、Tシャツ着用後にお洗濯をせずに放置し続けるというわけにはいきません。
そこで有効な方法というのが、ラバープリントTシャツを裏返してネットに入れて、弱設定でお洗濯するという方法です。
そんなことは既に知っているという方も多いと思いますが、ラバープリントの剥がれを予防するには、他の洗濯物と絡まったり、引っ張られたりするリスクを軽減することができるこの方法は欠かすことができません。
プリントの剥がれを予防する以外にも、肌に触れる裏側の汗や皮脂汚れが落ちやすくなったり、毛玉ができにくくなったりといった効果もあるので、少し手間ではありますがオススメです。
乾燥機を使わない
ラバープリントTシャツの剥がれを予防したいという方には、乾燥機の使用は避けることを推奨します。
乾燥機は高熱により衣類を乾かすため、熱によってプリント部分のインクが溶けてしまったり、ひび割れが発生するリスクが高まります。
折れ目が付かないようにする
ラバープリントTシャツの剥がれを予防するには、収納する際にも工夫が必要です。ラバープリントは折りたたんだままタンスなどに収納して保管すると、プリント部分のひび割れが発生しやすくなるので、タンスなどに収納する場合は、シワにならないようにくるくると丸めて保管することを推奨します。
尚、クローゼットのスペースに余裕があるようであれば、ハンガーに掛けて保管する方法は特にオススメです。
まとめ
ご紹介してきたラバープリントの特徴や性質を把握することで、オリジナルプリントTシャツに対する理解が深まり、より理想に近いTシャツを製作することができるはずです。
キラメックでは、お客様の要望に沿った、高品質で満足度の高いオリジナルTシャツ製作を全力でサポートしています。
知識と経験豊富な専門スタッフが、皆様からのお問い合わせを心よりお待ちしています。