シルクスクリーンプリントとは?インクジェット・転写プリントとの違いや特徴を解説
シルクスクリーンプリントは、オリジナルプリントTシャツを製作する際に必ずと言っていいほど耳にする印刷方法のひとつです。
布状の網目のシートをインクが通過することで印刷する技法の一種として、古くから染色や美術の分野で使用されてきました。
実際にお店で販売しているプリントTシャツの多くは、シルクスクリーンプリントによって印刷されていると言っても過言ではありません。
このページでは、これからオリジナルプリントTシャツを製作しようとお考えの方であれば、知っておいても損はない、シルクスクリーンプリントの特徴についてご紹介しようと思います。
- 目次
- シルクスクリーンプリントとは?
- シルクスクリーンプリント以外の代表的なプリント手法
- シルクスクリーンプリントの特長
- シルクスクリーンプリントのデメリット
- キラメックアパレルのシルクスクリーンプリント
- まとめ
シルクスクリーンプリントとは?
様々な印刷方法が存在するなかで、シルクスクリーンプリントは、オリジナルTシャツ製作に使用する最も代表的な印刷方法のひとつです。
シルクスクリーンプリントをするには、印刷するカラー1色に対して、プリントするイラストや文字の型を抜き、枠にメッシュ状のフィルムを張った版というものを作成する必要があります。
作成した版の上にインクをのせて、プリントしたいTシャツの生地に色を直接写していく技法をシルクスクリーンプリントと言います。
ちなみに、シルクという言葉が使われている由来としては、版はもともと絹(シルク)で作られていたことから、シルクスクリーンプリント・シルクスクリーン・シルク印刷と呼ばれるようになり、今日に至ると言われています。
版は印刷に使用する色の数だけ必要で、多色になるほど版の作成費用が発生しますが、一度版を作ってしまえば、あとは枚数を多く刷れば刷るほど、一枚あたりの単価は割安になるので、同じ内容のTシャツを大量生産する際にはオススメです。
シルクスクリーンプリントは他のプリント方法と比べても、プリントの仕上がりがキレイだということと、インクを使い分けることにより、インクジェットや昇華転写プリントには出来ないラメや発泡・ひび割れなど、質感や表現にこだわった様々なプリントをすることも可能です。
シルクスクリーンプリント以外の代表的なプリント手法
オリジナルプリントTシャツは、シルクスクリーンプリント以外の印刷方法を使っても製作することが可能です。
中でも、シルクスクリーンプリントと並んで使用されることが多い、代表的なプリント手法、インクジェットプリントと転写プリントについて簡単にご紹介しようと思います。
インクジェットプリントと転写プリントの特徴を把握して比較していけば、シルクスクリーンプリントに対する理解がより一層深まるはずです。
インクジェットプリント
インクジェットプリントは、シルクスクリーンプリント・転写プリントと並び、オリジナルプリントTシャツ製作の際に使用されることが多い代表的な印刷方法です。
ガーメントプリンターや、ダイレクトインクジェット・DTG(Direct to Garment)などの名称で呼ばれる専用のプリンターを使って、衣類に直接インクを塗布して印刷します。
コンピューターで作成したデザインデータを、専用のプリンターでTシャツの生地に直接プリントアウトするという、家庭やオフィスで使用しているプリンターと同じ仕組みで印刷を行います。
写真やグラデーションなどのフルカラーデザインもお手軽&綺麗に表現することができて、1枚でも低コストで美しいフルカラープリントTシャツの製作が可能です。単品種の大量生産よりも小ロットの多品種生産に向いている印刷方法です。
ただし、ポリエステルやナイロン生地への印刷には向いておらず、基本的には綿100%生地への印刷が推奨されています。
その他のインクジェットプリントの特徴については、以下のページでも紹介しているので参考としてご覧いただければと思います。
参考サイト:インクジェットプリントとは?シルクスクリーン・転写プリントとの違いや特徴を解説
転写プリント
転写プリントとは、専用の転写シートにデザインを印刷して、その転写シートをプレス機などで商品に圧着してプリントする方法です。
転写プリントには熱転写と昇華転写という方法があります。熱転写は、糊の付いたフィルムにデザインをプリントし、熱と圧力で商品にデザインを貼り付ける方法で、布製品のフルカラー印刷などに向いています。昇華転写はデザインを転写紙にプリントし、高温で商品に昇華させて製品自体にインクを浸透させる方法で、ポリエステル素材の縫製物や陶器などにフルカラー印刷をすると自然に仕上がります。
転写プリントは細かいデザインやグラデーションも再現することができて、発色性が高く、様々な素材や形状に対応できる印刷方法ということから、ノベルティやオリジナルグッズなど多用途で使われています。また、版の製作が不要なため、版代がかからず、小ロットのグッズ製作に向いている印刷方法です。
シルクスクリーンプリントの特長
シルクスクリーンプリントの特長として主に挙げられることが多い3項目をそれぞれご紹介します。
しっかりとシルクスクリーンプリントの特徴を理解したうえで、オリジナルTシャツ製作に取り入れれば、デザイン性が高いオシャレなオリジナルTシャツのコストを抑えて大量に製作することが可能です。
特長その1:量産する場合に比較的コストを抑えられる
前の項目でも言及しましたが、シルクスクリーンプリントをするには、印刷するカラー1色に対して、プリントするイラストや文字の型を抜き、枠にメッシュ状のフィルムを張った版というものを作成する必要があります。
版は印刷に使用する色の数だけ必要で、多色になるほど版の作成費用が発生しますが、一度版を作ってしまえば、あとは枚数を多く刷れば刷るほど、一枚あたりの単価はインクジェットや転写プリントなどと比べても割安になります。また、1度作った版は一定期間保存して再使用することも可能です。
「毎年同じデザインのTシャツをオーダーしたい」「大規模イベントで販売する物販用Tシャツを大量に作りたい」とお考えの方は、シルクスクリーンプリントでオリジナルプリントTシャツを製作すれば、特殊な加工をしない限り製作費用は大幅に抑えることができるはずです。
特長その2:インパクトのあるデザインを作れる
シルクスクリーンプリントは、濃色のTシャツ生地でも生地の色の影響を受けずに発色の良いキレイなプリントをすることができます。
また、通常のシルクスクリーンプリントで使用する水性ラバーインクのかわりに、蛍光・ラメ・金メタル・銀メタル・ひび割れ・発泡・箔などの特殊インクを使うことで、プリントのバリエーションを楽しみながら、インパクトのあるデザインのオリジナルTシャツを作ることが可能です。
特長その3:耐久性に優れている
シルクスクリーンプリントは、使用するインク自体の耐久性が非常に高いため、色褪せしにくい特徴があり、長期間使用してもキレイな発色を保つことが可能です。
繰り返しお洗濯をしても、プリントが剥がれにくく、キレイな見た目を長期間保てるので、お洗濯の頻度が高い、スポーツ・イベントスタッフのユニフォーム、作業着などにもぴったりです。
シルクスクリーンプリントのデメリット
ここまでは主にシルクスクリーンプリントのメリットを中心にご紹介してきましたが、シルクスクリーンプリントのオリジナルTシャツ製作を正式にオーダーする前に、シルクスクリーンプリントのデメリットについてもしっかりと確認しておきましょう。
版代がかかる
シルクスクリーンプリントはプリントに使用する色、1色ごとに「版」という型を作り、作成した版にインクをのせて印刷する技法を使用します。
そのため、シルクスクリーンプリントを使ったオリジナルプリントTシャツを製作する場合、製作費に一定の版代が計上されることになります。
シルクスクリーンプリントの基本的な料金の考え方は以下になります。
・版代+(単価×プリントする枚数)
多色刷りのTシャツを製作する場合には、使用する色の数だけ版を作成する必要があるため、色数が増えれば増えるほど版代がかさんでしまいます。
例えばキラメックでは、シルクスクリーンプリントのオリジナルTシャツを1枚だけ製作したいという相談をお客様からいただいた場合、シルクスクリーンプリントはオーダー枚数が少ないほど1枚当たりの製作料金が高くなってしまう傾向があるという旨をご説明します。
このような場合、キラメックでは、インクジェットプリントを使用する方法だとお安く製作できるという旨をご提案しています。
シルクスクリーンプリントを使ってオリジナルTシャツを製作する際は、版代や製作枚数についてもしっかり業者さんに確認をしたり、お客様のご要望を担当者に伝えて相談をしながら製作することを推奨いたします。
グラデーションなどの緻密なデザインの再現に向いていない
作成した版のメッシュ状フィルムの上にインクをのせ、色を写して印刷するというシルクスクリーンプリントの特性上、グラデーションなどの濃淡のあるデザインや、写真プリントといった緻密なデザインの再現には向いていません。
このようなプリントをしたオリジナルTシャツを製作したいという方は、インクジェットプリントを使ってオリジナルTシャツを製作するということも検討の視野に入れてみることをオススメします。
プリントの内容や製作枚数によっては、シルクスクリーンプリントよりもインクジェットプリントの方が費用を抑えて作れる場合もあります。
キラメックアパレルのシルクスクリーンプリント
キラメックでは、スタンダードなシルクスクリーンプリントから、蛍光・ラメ・金メタル・銀メタル・ひび割れ・発泡・箔などの特殊インクを使用したオシャレで個性的なTシャツまで、用途に合わせたオリジナルTシャツ製作をオーダーメイドで承っています。
シルクスクリーンプリントは、生地や素材にかかわらず、どんな商品にもプリントは可能ですが、生地が薄いとプリントを圧着する際にヨレが発生する場合があるので、厚めの生地を選ぶことを推奨します。また、はっ水加工が非常に強かったり、ポリ塩化ビニール系やエナメル素材などはプリントが出来ない場合があるのでご注意ください。詳細については、担当スタッフまでお気軽にお尋ねください。
実際の製作工程に入るまでに、オリジナルプリントTシャツの用途やお客様のご要望を伺い、打ち合わせを重ねながら、知識と経験豊富なキラメックの専任スタッフが案件ごとにベストなプリント方法をご提案します。
お客様の理想を体現する、高品質なオリジナルプリントTシャツの製作を全力でサポートいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
まとめ
数あるプリント手法の中でも、最もポピュラーと言っても過言ではないシルクスクリーンプリント。
他のプリント手法と比較してもキレイに印刷できて、大量枚数でも比較的安価で製作できるので、初めてオリジナルTシャツを作る初心者の方でも、オリジナルプリントTシャツ製作の醍醐味を味わうことができるはずです。少しでも気になった方は一度挑戦してみてもらえればと思います。